牛丼の原価|これを知ったら牛丼業界の破たんが目の前だと知る
給料日前のお父さんの強い味方「牛丼」ですが、限界が近いかもしれません。
それは、この「安い牛丼ビジネスモデル」の終了を予感させる数字が出ているのです。
ここで全部知ってしまってください。
牛丼の原価
早速牛丼の原価を見てみましょう。
吉野家の牛丼並盛380円を元に原価を算出しています。
牛丼の材料はいたってシンプルです。
牛肉、玉ねぎ、ご飯。
これくらいしかありません。
ところが、牛丼1杯380円の原価の内訳をみてみると、牛肉19%、玉ねぎとたれで8%、ご飯11%で38%も言っているのです。
原価30%程度に抑えておかないと利益が出にくい飲食業界で38%です。
利益分が丸々原価に回っている計算です。
人件費も30%あり、これは年々上がっている傾向です。
それだけ人の確保が難しくなっています。
牛丼屋のバイトは大変なイメージが定着しつつありますしね。
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家賃の10%も高くなっています。
これは、駐車場なども完備していないと人がそもそも来ないからです。
人通りが多くて、駐車場がある場所・・・家賃は必然的に高くなっていきます。
牛丼の量の差
牛丼大手の3社では、それぞれどのような量の牛丼を出しているのでしょうか。
以下に表にしました。
A社 | B社 | C社 | |
牛肉 | 71g | 54g | 52g |
たまねぎ | 14g | 21g | 24g |
ご飯 | 292g | 280g | 301g |
合計 | 377g | 355g | 377g |
牛丼の具やご飯の量は当然のことながら各社で異なります。
吉野家の苦悩
牛丼はいつの間にかハンバーガーと同様に数を売って利益を上げる、薄利多売方式をとっていました。
ハンバーガーにはサイドメニューと言う強い味方がいます。
ところが、牛丼の場合はハンバーガーほどサイドメニューで稼げません。
1990年代は、牛丼価格が400円台でした。
立ち食いソバよりは高い存在でした。
しかし、デフレの象徴のようにどんどん値下げされていきました。
2000年代、牛丼戦争が勃発され、一番安い時は250円と言う価格までその価値を下げました。
牛丼チェーンは、大量の肉を輸入して対応していました。
牛丼用の肉は、アメリカ産、オーストラリア産の冷凍牛ばら肉(ショートプレート)で、国産牛の1/3以下の価格です。
関税は38.5%でしたが、1kg600円前後でした。
牛丼に牛肉を70g使っても原価は42円。
たまねぎ、たれ、ご飯を含めても、原価80円前後だったため、原価率は32%でした。
ところが、狂牛病の後は検査費用がかさんだり、需要の高まり、円安、人件費の高騰、消費税8%など色々あり、原価率が38%と高い割に、牛丼が安い印象もなく客離れが進んでいます。
牛丼屋で収益を上げるためには
牛丼で収益を上げるには、原価率が高いところを削るしかありません。
一番目につくのは人件費30%。
他は削りようがありません。
以下に各社の業績をお知らせします。(2014年度)
バイトへの責任過多、「ワンオペ」が問題になった
ゼンショーHD
(すき家、なか卯、ココス、はま寿司など)
売上高 | 4683億円(前年比12.2%↑) |
営業利益 | 81億円(44.8%↓) |
一時期牛丼がなくなった牛丼屋
吉野家HD
(吉野家、京樽、どん、はなまるなど)
売上高 | 1734億円(前年比5.4%↑) |
営業利益 | 21億円(0.2%↓) |
なぜか「牛丼」と呼ばず、「牛めし」と呼ぶ。味噌汁無料。化学調味料無添加
松屋フーズ
(松屋、チキン亭、松八、松乃屋、すし丸など)
売上高 | 789億円(前年比0.2%↓) |
営業利益 | 23億円(21.8%↑) |
すき家のゼンショーHDと比べると吉野家は37%程度の売り上げで、利益では26%。
売上でもないようでもゼンショーHDに負けています。
松屋は吉野家の売り上げの半分以下しかありませんが、利益は多いと言う状態です。
ここでも吉野家は実質負けています。
吉野家の苦悩はこれからも続きます。
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