牛丼の原価|これを知ったら牛丼業界の破たんが目の前だと知る

2019年10月14日

給料日前のお父さんの強い味方「牛丼」ですが、限界が近いかもしれません。

それは、この「安い牛丼ビジネスモデル」の終了を予感させる数字が出ているのです。

ここで全部知ってしまってください。

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牛丼の原価

早速牛丼の原価を見てみましょう。

吉野家の牛丼並盛380円を元に原価を算出しています。

牛丼の原価

牛丼の材料はいたってシンプルです。

 

牛肉、玉ねぎ、ご飯。

これくらいしかありません。

ところが、牛丼1杯380円の原価の内訳をみてみると、牛肉19%、玉ねぎとたれで8%、ご飯11%で38%も言っているのです。

原価30%程度に抑えておかないと利益が出にくい飲食業界で38%です。

利益分が丸々原価に回っている計算です。

牛丼の原価

人件費も30%あり、これは年々上がっている傾向です。

それだけ人の確保が難しくなっています。

牛丼屋のバイトは大変なイメージが定着しつつありますしね。

⇒ 【飲食業界のバイト求人を見てみる】飲食業界のバイト・求人【フーズフー】

 

家賃の10%も高くなっています。

これは、駐車場なども完備していないと人がそもそも来ないからです。

人通りが多くて、駐車場がある場所・・・家賃は必然的に高くなっていきます。

 

牛丼の量の差

牛丼大手の3社では、それぞれどのような量の牛丼を出しているのでしょうか。

以下に表にしました。

A社 B社 C社
牛肉 71g 54g 52g
たまねぎ 14g 21g 24g
ご飯 292g 280g 301g
合計 377g 355g 377g

牛丼の具やご飯の量は当然のことながら各社で異なります。

 

吉野家の苦悩

牛丼はいつの間にかハンバーガーと同様に数を売って利益を上げる、薄利多売方式をとっていました。

ハンバーガーにはサイドメニューと言う強い味方がいます。

⇒ ハンバーガーの原価

 

ところが、牛丼の場合はハンバーガーほどサイドメニューで稼げません。

 

1990年代は、牛丼価格が400円台でした。

立ち食いソバよりは高い存在でした。

しかし、デフレの象徴のようにどんどん値下げされていきました。

 

2000年代、牛丼戦争が勃発され、一番安い時は250円と言う価格までその価値を下げました。

牛丼チェーンは、大量の肉を輸入して対応していました。

牛丼用の肉は、アメリカ産、オーストラリア産の冷凍牛ばら肉(ショートプレート)で、国産牛の1/3以下の価格です。

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関税は38.5%でしたが、1kg600円前後でした。

牛丼に牛肉を70g使っても原価は42円。

たまねぎ、たれ、ご飯を含めても、原価80円前後だったため、原価率は32%でした。

 

ところが、狂牛病の後は検査費用がかさんだり、需要の高まり、円安、人件費の高騰、消費税8%など色々あり、原価率が38%と高い割に、牛丼が安い印象もなく客離れが進んでいます。

 

牛丼屋で収益を上げるためには

牛丼で収益を上げるには、原価率が高いところを削るしかありません。

一番目につくのは人件費30%。

他は削りようがありません。

 

以下に各社の業績をお知らせします。(2014年度)

 

バイトへの責任過多、「ワンオペ」が問題になった

ゼンショーHD

(すき家、なか卯、ココス、はま寿司など)

売上高 4683億円(前年比12.2%↑)
営業利益 81億円(44.8%↓)

 

一時期牛丼がなくなった牛丼屋

吉野家HD

(吉野家、京樽、どん、はなまるなど)

売上高 1734億円(前年比5.4%↑)
営業利益 21億円(0.2%↓)

 

なぜか「牛丼」と呼ばず、「牛めし」と呼ぶ。味噌汁無料。化学調味料無添加

松屋フーズ

(松屋、チキン亭、松八、松乃屋、すし丸など)

売上高 789億円(前年比0.2%↓)
営業利益 23億円(21.8%↑)

 

すき家のゼンショーHDと比べると吉野家は37%程度の売り上げで、利益では26%。

売上でもないようでもゼンショーHDに負けています。

松屋は吉野家の売り上げの半分以下しかありませんが、利益は多いと言う状態です。

ここでも吉野家は実質負けています。

 

吉野家の苦悩はこれからも続きます。

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